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2011/07/15

判例 敷引き金特約の最高裁判決

2011年7月12日
関西地方などを中心に賃貸住宅の家主が原状回復費などとして敷金(保証金)から一定額を引き去る「敷引特約」が、消費者への過重な負担を禁じた消費者契約法に照らし無効かが争われた訴訟の上告審判決で、最高裁第3小法廷(田原睦夫裁判長)は12日、特約は有効との判断を示した。

一審・京都地裁判決は「特約は無効」と判断、二審・大阪高裁も支持していた。

問題となったのは月額賃料17万5千円(更新後17万円)、敷引金60万円の契約。最高裁は3月、第1小法廷が「高額過ぎなければ特約は有効」との初判断を示し、今回の判決も「敷引金は賃料の3.5倍程度にとどまり、高額に過ぎるとは言い難い」と結論付けた。

ただ岡部喜代子裁判官(学者出身)は「敷引金の具体的内容が明示されておらず、3.5倍の負担も決して軽くない」として反対意見を付けた。

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今回の最高裁判決は、3月24日の最高裁判決とほぼ同様の結論。
 

1.消費者契約法との関係
敷引特約が契約書に明記されていれば、賃借人は明確に認識しており、敷引額が賃料の額に照らして高額でない限り消費者の利益を一方的に害することにはならない。
 

2.敷引額の程度
本件では賃料の3.5倍程度であるから高額に過ぎるものではない。

以上の点から、消費者契約法第10条に違反しているとはいえない、とのこと。

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いずれにしても、不動産業界特有の商習慣なので消費者にとっては解りづらいとは思う。各地で敷引きや更新料の有無が異なるため、これらを統一していく必要があるのではないだろうか。


また消費者にも契約を軽んじているところがあるように見受けられるので、契約する際には内容を理解していただきたいし、そう努めていくのが宅地建物取引主任者であると思う。